prose

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 手に入らないものを欲しがる子供のようだときっとあなたは言うのだろう
 そうかもしれない その通りなのかもしれない
 でも違う きっと違う 手に入らないから欲しいんじゃない 手に入らないと解っていても
 それでも
 あなたの心が欲しいと 切望してしまうほど


 君の視線はいつも 僕を貫いて別のものを見てる
 気付かないとでも思っているの 君が僕の中に宿る面影を見つめていることに
 僕を構成するあの人の面影が 君を過去の呪縛に絡めていて 僕をこんなに苦しめるというのなら
 こんな顔こんな姿捨ててしまいたい
 面影という名の幻影に囚われないで 僕はここにいる あの人はもうここにはいない
 お願いだから僕を見てと 懇願したって届かない
 君は今日も視線の剣で僕を貫く


 永遠の先まで続く暗闇の中 俺は独りで此処に立ってる
 此処が何処なのかも解らないのに 何故か懐かしい気持ちになり
 寒気がした
 まるで俺は自分が闇の住人のように思えて あてもなくただ闇雲に走り続ける
 そして気付く この暗闇が何もない空間であることに
 手を伸ばしても何にも触れない 足の下には道もない
 いつの間にか柔らかくて冷たく 固くて温かい底無し沼のような 闇に飲み込まれていく俺がいて
 中も外も隅々まで余すことなく 優しく恐ろしい闇に侵されていく
 そんな夢を生まれたときからずっと見てる
 夢なのかどうかも判別がつかないほどに ずっと ずっと ずっと


 例えば世界中の誰もが俺の敵であっても
 お前が隣にいてくれたなら何も恐れることはないと思った
 仲間はたくさんいるけども 俺にとって友と呼べるはお前だけ
 そしてそれはお前もなのだと思っていた
 でも違った
 お前は俺だけの味方じゃあなくなってしまった
 俺の隣じゃあなくて 別の人間の隣にいる時間の方が多くなった
 いつだって側にいると言われても 俺は心の闇に深く沈み込んでいくばかりだった
 依存 執着 独占欲 嫉妬
 弱くて脆い汚れた感情が 俺の心を覆い尽くした


 互いが互いに依存しきっていたんだ
 アタシは別の依存できる人間を見つけ寄り添ったけど
 あいつはそんな相手を見つけておきながら
 自らその手を離してしまった ただそれだけの違いなんだ
 そしてあいつは崩壊寸前
 アタシはあいつだけの傍にいてやらなかったことを酷く後悔して あいつの隣に今こうしている


 彼女のことで自分が涙するなど おこがましくて出来る筈もない
 だって僕は咎人なのだから


 神に許しを乞うことも 神の罰を望むことも
 きっと叶いはしないのだろう
 だって
 この世に神など存在しないのだから


 届かないと解っている言葉を 唱え続けるほど鈍くはなくて
 それでも届くことを 望み続けるほどには愚かであって
 そんな俺を創り上げたのは すなわち
 あなたなのだということを ただ知っていてほしくて


 「楽しい」ってどんな感覚
 考えたって解らない
 そもそも感情なんて頭で考えることじゃぁないし
 だから なんでこいつらが「楽しそう」に笑っているのかなんて解らない
 俺には喜怒哀楽の「楽」が備わってないんだ
 だけど 俺は笑ってる
 周りの奴らと同じように 馬鹿みたいに笑ってる
 一体何が「楽しい」のかも解らずに ただ周りと同化して
 だってそうしなければ 俺はこの空間から排除される
 人間関係なんて免疫機能と同じだ
 異物は白血球に排除される運命
 だから賢いウイルスは 白血球に成り済まして どうにか排除されまいと
 どうにかどうにかどうにか
 今日も明日も昨日も明後日も 過去から未来までいつだっていつまでか
 笑ってる
 周りと同化して どうにかどうにかどうにか
 あぁ 俺の身体の中からいつか 排除されていったウイルスたちも
 こんな気持ちだったのだろうか なんて
 呟いたら「ウイルスに感情なんてあるのか」と 厳し過ぎるツッコミを受けた
 誰にだって感傷的になるときはあるものだと 反論したら流された
 それでいい
 こんな馬鹿みたいな感傷的な呟き 軽く流されるくらいがちょうどいい


 灰色の空から零れ堕ちた雨粒が 僕の心に浸透して
 冷たく潤す
 例えばそんな感覚
 冬の日の朝に降る 雨の情景


 天の向こうよりきて 地の果てへと還ってゆく
 いき着く先は まだ見えない 永遠に知らない
 そして消えてゆく


 例えば世界が満ち足りたものでなくても
 あなたさえ此処にいてくれたなら
 俺は何の不満も持たずに生きていくことができたのに


 君が一体何を恐れているのか解らないけど それでも
 君の隣にいたいんだ それだけを それだけは どうか
 許して


 脳にも眼にも異常はないのに 俺の世界には色がない
 それはすなわち
 俺がこの世界を醜いと思っていることの証に過ぎない


 人の顔が解らないんです
 脳にも眼にも異常はないのに 人の顔が見えないんです
 それはすなわち
 私が人間を美しいと思えないことに起因しているんです


 ゆらりゆられて ゆらゆらと
 僕は何処へとゆくのだろう
 ユラリユラレテ ユラユラト
 僕は何処へとゆくのだろう


 今日も世界は回っている
 ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
 世界の回る速度は早過ぎて 僕は到底追いつけない
 追い付こうともがくうちに 僕の身体は霧散して
 空気中に飛散していく
 そしてもう跡形もない 世界は僕を拒絶した


 例えばココが地獄だとして
 何が正義で 何が悪なのか
 天国なんて本当にあるのか
 何一つとしてわかることはなく
 ただ 己が己であるが故に
 己として生きる他 道はないのだと


 檸檬が好きなのだと 悲しげな瞳で彼女はそう微笑んだ
 その表情は僕に とある詩人の妻が死の間際に見せたであろう表情を思い浮かばせた
 その光景を見たことがある筈もないのに 鮮明に
 まるで写真のように鮮明に 僕の脳裏に焼き付いて離れなかった


 ねぇ例えば例えばの話よ
 例えばもし世界に綺麗事が全く一つとしてあることがなかったとしたら
 あなたは一体どうしたのかしら
 人は綺麗事がなければ人として生きてゆくことが出来ないと言ったあなたが
 もし綺麗事のない世界に産まれたとして
 あなたはそんな世界で生きてゆくことが出来るのかしら
 綺麗事を愛し綺麗事に生かされ綺麗事を憎み綺麗事に殺されたあなたが
 綺麗事のない世界を生きてゆくなんてそんなのはきっと
 人が空気のない世界で生きてゆくのと同じことなのでしょうけども それでも
 私はあなたに聞きたかったの聞いてみたかったの
 綺麗事に満ち溢れた世界はあなたを拒絶したというのに
 あなたはまだそんな世界を愛しているのかと愛せるのかと ねぇ


 人は皆偽善者だとあなたは言った
 この世に真(ほんとう)の善人など存在しないのだと
 何かを諦めたようなそんな瞳であなたはそう呟いた
 他人の為に何か行動を起こしたとして結局何らかの見返りを求めているのだと
 例えばそれは金銭であり 例えばそれは称賛であり 例えばそれは感謝であり
 何かを人は必ず求めてしまうものなのだと 悲しげな瞳であなたはそう零した
 静かな空気の支配する空間をあなたは独り漂って そしてこう続けた
 いかなる悪人といえどもやはり偽善者であることにかわりはないのだと
 あなたは口の端を歪めて吐き出した
 どんなに己の欲のみで他人を殺した悪人でも虫の一匹を踏み潰すのを止めた瞬間に偽善者へと変貌するのだと
 あなたは何かを堪えきれなかったように吹き出した
 そしてまた静かな空気の支配する空間を独り漂って後
 だからこそこの世には真(ほんとう)の悪人すらもいないのだと
 優しい笑みを浮かべてあなたはそう 囁いた


 あぁ あなたをこの手で殺してしまえたら
 例えば野花を手折るように 例えば蝶を生け捕るように 例えば獣を狩るように
 私のこの手で殺してしまえたら どんなに素敵なことだろう
 そしてそのまま薬品に漬けて綺麗な姿のあなたのままで
 例えば野花を花瓶にいけるように 例えば蝶を標本にするように 例えば獣を剥製にするように
 美しいあなたの姿を保存してしまえたら どんなに素敵なことだろう どんなに素敵なことだろう
 例えそこに生はなくとも


 たった一つ 最初で最後の我が儘を もしも赦されるのであれば
 あなたのその手で私の命を絶って欲しいのです
 ゆっくりゆっくりじわじわと 私の生を奪って欲しいのです


 「あんたなんて消えてしまえばいい」
 一体なんてことをゆうのだろうね君は
 涙を流しながら鳴咽を漏らしながら声を喉を拳を唇を全身を震わせながらなんてことを
 なんてことをゆうのだろうね
 あぁでもそんな君が酷く酷く愛おしいよ
 優しく残酷な可愛い僕の天使


 人は皆 真(ホントウ)の性質など生涯知ることなく生きてゆくのである
 ただ真(ホントウ)の上に偽(ウソ)を重ね
 あたかもその偽(ウソ)が真(ホントウ)であるかのように振る舞い
 そして想い込み生きてゆくのである


 性善説でも性悪説でもない
 偽善説や偽悪説というものがあっても
 それはそれで面白いとは思わないかね?


 自分の為にしか生きることの出来ない人間は とても切ないしとても悲しいけれども
 あまりにも人間らしくて逆に好感が持てるとは想わないかい?
 勿論誰かの為に生きることが出来れば それはとても美しいことなのだろうけれども
 私という人間からしてみればあまりにも美しすぎて …反吐が出るよ
 なんて云い過ぎかな
 まぁつまり何が云いたいのかというと 人間美しすぎるのもどうかと想うよっ て
 それだけのことだよ
 一つぐらい傷や汚れがあった方が味があるってものだよね
 ねぇ 君もそう想わないかい?
 (目前の死者に向かって呟き続ける 無意味な独り言)


 女であることを認めたくなかったのは女は弱い生き物だと思っていたから
 大嫌いで憎くてそして恐ろしくてたまらなかった男にそれでもなりたかったのは
 弱い自分が赦せなかったか ら


 君を繋ぎ止めるのは僕の愛の深さでしょうか
 それとも君の物欲故でしょうか
 僕のセックスのテクニックでしょうか
 それとも僕の暴力故でしょうか
 (今日も青痣だらけの君を抱き気を失った肢体の上に宝石をばらまきそっと唇を寄せまし た)


 普通という名の個性
 普通という名の無個性


 ねぇ そろそろ笑うことにも疲れてきたなんて云ったらあなたは怒りますか
 甘えたこと云ってるなって私を叱ってくれます か
 (今はただあなたの叱咤だけが私を支えてくれるのです)


 こんなことになるなら私があなたを殺しておけばよかった
 あんなにも死にたがっていたあなたを
 あんなにも殺されたがっていたあなたを
 私のこの手で
 殺してあげればよかった
 (今となってはもう遅い ただ只管の後悔)


 何をしても満たされない
 私の心は満たされない
 身体的には満たされている筈なのに
 充実した生活をおくっている筈なのに
 喉が渇けば水を飲み
 お腹が空けば御飯を食べ
 でも
 喉の渇きは潤せても心の渇きは潤せず
 空腹感は満たせても心の空腹満たせない
 だから
 私は過食症
 私の心が満たされるまで私はずっと食べ続ける
 私の身体は満たされたって私はずっと食べ続ける
 私の心は過食症
 きっとずっと満たされることのない心の餓えを
 多分きっと満たされる日がくることを信じて
 私はずっと食べ続ける
 そう永遠に食べ続ける


 あなたの息の根止めないと私は生き残れはしないの
 あなたのいない世界では私は生きてはゆけないの


 ギリギリまで遮って
 あの人の生命を
 神秘的なまでの
 神にも似た
 死の狭間で揺れる灯を
 (死んでほしいのか生きてほしいのかなんて私にもわかるわけないじゃない)


 人を好きになるのは一緒にいた時間の長さでも
 相手がどれほど自分を好きになってくれたかでもなく
 どれだけ自分の心(本能)が脳(理性)から分離して相手のみを求めてしまうかということに関係する
 それはほんの一瞬の心(本能)の過ちであり半永続的な脳(理性)の罠である


 お前の幸せを願ってきました
 お前のことを愛してました
 でもそれも今日で終わりです
 なぁ
 お前の命を犠牲にしてまで家族を守った俺を
 どうか永遠に憎み続けて下さい


 何故わざわざそれを気付かせようとするの
 必死に気付かないでいようとした私に気付かないふりをしていた私に
 どうしてそんな惨い事実をつきつけようとする の
 (そのくせ私に酷く優しくするのは一体何故なのこんな惨いことをしておいてこんなこんな)
 (これじゃあいつまで経ってもあなたを嫌いになれないじゃあないの私)


 愛し愛されたかった
 君と「ごっこ」でいいから恋愛がしたかった
 眼を合わせて手を繋いで抱き合ってキスをして愛を紡ぎあって
 恥ずかしくなる程の甘い一時を
 君と過ごしてみたかった
 (そんな幻想を抱いてはただ涙 涙する)


 人類なんて滅んでしまえばいいのに
 滅亡するその瞬間までそれとは気付かせないように
 静かにそして確実に
 たった一瞬のうち
 全ての人という人をこの地球上から
 消滅させてくれればいいのに


 ゆるりと時間は流れていく
 どれだけ急いても
 時の流れる速度は変わらない
 ゆるり ゆるりと
 ただ静かに
 時は流れ続けていく
 (速くなることもなく止まることもなくただ ただゆるりと)
 (過酷なまでにゆるり と)


 朱く染まった君の頬は
 はたして
 僕を想って色づいてるのか
 それとも
 ただ夕焼けに染められただけなのか
 できれば
 僕への想いに染められて欲しいと
 ただそう
 願っ て


 「こんな筈じゃあなかったのに」
 そう云ってうずくまり肩を震わすお前を
 抱いてしまいたかった
 (涙に気付かないふりしかできなかった俺を 呪った)


 慟哭を重ねてもあんたが帰ってこないことくらいわかってましたよわかってますよ 理性ではね
 それでもどうしようもない程に本能があんたを求めてやまないんですよ
 ねぇ どうして死んでしまったのですか どうして   どうし て
 (そしてまた慟哭)


 あなたを忘れられないということが罪になるのならば
 あなたを想って涙を流すことがきっと罰になるのでしょう
 ならば俺は毎日毎晩
 あなたという罪と罰を背負って生きることになるのでしょう
 (それでもそれすら俺にとっては苦になどならない程)


 どうしたってあなたは私の眼を見てはくれなくって
 いつもいつも目線を僅かに逸らせては
 私の横の空間を見つめるのね
 どうしたって君は僕の言葉を聞いてはくれなくって
 いつもいつも僕の話を聞いてるふりをしながら
 僕の声を聞き流していくんだね
 ((嗚呼こんなにも愛おしく想っているというのになんなのだろうこの憎たらしさは!))
 (それは永遠のすれ違いなのだといつまでたっても二人気付くこともなく)


 病めるときも健やかなるときも
 共に助け共に支え合う
 なんてことはもうできないけれども
 それでもあんたは生涯俺の心の支えになり続けるし
 俺はあんたを愛し続けるよ
 誓いの詞とも云えやしないような
 そんなあまりにも一方的な愛の誓約だけれども
 もう俺にできることはそんなことしかできないのだから
 どうかあんたに心縛られ続ける俺を赦して下さい
 (涙を一粒 あんたの眠る冷たい土の上に零してそっと
 そうして墓石に接吻 を)


 静かな 静かな空間で
 一人 ただ本を読んでいた
 静かな 静かな空間は
 私を 本の世界に導いていった
 いったい どれほどの刻をそうしていたのだろう
 ふと気付けば 窓から差し込んでいた陽光は
 すっかり どこかへ身を潜めていた
 顔を上げ 窓を見上げれば
 暗灰色の雲が 空一面に渦巻いていた
 不意に 不意に耳朶を叩く音
 雨粒が 私の鼓膜を揺さぶっている
 雨音強く 自然は雄大
 雨音弱く 自然は儚い
 嗚呼 嗚呼
 私も 自然の一部であるというのなら
 雄大 かつ儚げなこの雨音のように
 還るべき 場所をみつけられるのだろうか
 嗚呼 嗚呼
 雨雲 渦巻く空を見つめ
 私はそっと 本を閉じた


 年月を重ねて
 そうして心と身体に負担ばかりを背負い込んで
 捨てゆくものは大切なものばかりで
 憂鬱な微笑をその顔に携え
 一体私は何がしたい の?
 (また一つ 年月をこの身に刻みました)


 愛してるから自分だけのものにしたくて
 自分だけのものにならない君に暴力をふるう
 身体中につけられたピアスは
 君の愛の多さ?
 僕の暴力の数?
 答えは闇に沈んだまま
 今日もまた
 愛と暴力とピアス


 紅い紅引き
 貴女は
 何処か遠くへ
 逝ってしまうのでしょう
 僕は此処から
 貴女の幸せを
 祈ることしか
 出来ないのでしょう


 平行線上
 会うことのない
 永遠に
 けして
 一度たりとも
 まるで磁石の両極のよう
 くっついているのに
 けして
 惹かれあうことのない
 まるで別の
 人格
 僕と君


 一体どんな時であろうと
 貴方は其の双眼を
 一定の方向へと向けているのですね
 貴方が見ているのは一体何?
 或いは誰?
 答えは貴方の胸の奥底
 願わくば
 其の双眼に映るモノが
 私であれば良いと


 「もう何も見たくないんだ」 と 僕は眼を閉じた
 「もう何も見えないんだ」 と 彼は呟いた
 何も見たくないのに光を映す眼を持つ僕と
 全てを見たいのに闇しか映さない眼を持つ彼と
 一体どちらが幸せなのだろう
 一体どちらが不幸せなのだろう
 答えはわからない
 それでも
 彼の為に僕は眼を開けた
 僕の代わりに彼は眼を閉じた
 光に包まれた世界はとても美しかった
 闇に飲み込まれた彼はとても悲しかった
 もしも僕の眼を彼にあげることが出来たなら
 彼とともに この光の世界を共有したかった
 せめて彼がこの世界に留まっていられるようにと
 せめて彼が闇に全てを飲み込まれないようにと
 僕は彼を抱きしめた
 彼はもう動かなかった
 せめて闇に一緒に飲み込まれたかった
 彼と一緒なら光も闇も共有できると思っていた
 でもそんなのはただの幻想にすぎなかった
 彼を抱きしめたまま覚めることのない幻想の世界へと深く入り込んでいった


 ただボーっとして
 無駄な時間を過ごす
 それを日々繰り返して
 無駄な人生を過ごす
 そんな無駄な人間


 貴方の唇から紡がれる言葉を
 聴きたいようで 聴きたくない
 絶望も 希望も
 貴方の言葉がもたらしてくれるから


 貴方のその瞳は
 何もかもを見透かすようで
 私は貴方にうそをつくことなど
 けして出来はしないのでしょう


 あなたの其の眼から零れ落ちる紅は
 一体何処へと何処までへと
 堕ちてゆくのだろう
 きっと暗闇の深淵に辿り着いたとしても
 あなたの其の紅は
 紅く赤く光り続け
 けして消えることはないのでしょう


 いくら希望を持とうとしても
 目の前に広がる絶望という名の現実は
 僕らから明日を奪い去っていくのみだった

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